皆さん、こんにちは。
兵庫県神崎郡を拠点に、左官工事・コンクリート工事・床研磨工事を手掛けている桑路建塗株式会社です。
工場の床を改修するとき、
「できるだけ初期費用を抑えたい」
「塗り床をもう一度施工するか、別の方法に変えるか迷っている」
「床コンクリート研磨工事は、長い目で見ると本当にコストを抑えられるのか」
と悩んでいる設備管理者・工場責任者の方も多いのではないでしょうか。
床改修の見積書を見ると、どうしても最初の施工金額に目が向きます。
しかし、工場の床は施工して終わりではありません。
施工後の補修、再施工、既存塗膜の撤去、廃材処分、清掃、そして改修工事によって生じる生産ラインの停止まで含めると、実際に会社が負担するコストは見積書の施工金額だけでは判断できません。
そこで重要になるのが、床を長期間使用することを前提として費用を考える「ライフサイクルコスト(LCC)」という考え方です。
今回は、塗り床と床コンクリート研磨工事について、初期費用だけではなく、5年・10年といった中長期的な視点から比較します。
■工場床は「施工価格」だけで選んではいけない

工場床の改修工事では、複数の施工会社から見積もりを取り、
「A社はこの金額」
「B社はこの金額」
と比較することが一般的です。
もちろん、初期費用は重要です。
しかし、工場の床において本当に考えなければならないのは、「施工するときにいくらかかるか」ではなく「その床を使い続ける間に、合計でいくらかかるか」です。
例えば、初期費用を抑えられたとしても、数年後に剥がれや摩耗が発生し、そのたびに部分補修や再施工が必要になれば費用は積み重なります。
さらに工場では、床工事を行うために施工エリアを使用できなくなることがあります。
生産ラインを止める、フォークリフトの動線を変更する、資材を別の場所へ移動するといった対応が必要になれば、施工会社へ支払う工事費以外にも負担が発生します。
だからこそ、工場床の改修では「今いくらかかるか」だけではなく「今後何回工事が必要になる可能性があるか」まで考える必要があります。
■ライフサイクルコスト(LCC)とは?

ライフサイクルコストとは、設備や建物などを導入してから使用し、維持管理していくまでに発生する費用を総合的に考える考え方です。
工場床の場合、主に次のような費用を考えます。
- 初回施工費
- 定期的な補修費
- 再施工費
- 既存床材・塗膜の撤去費
- 廃材の処分費
- 日常的な清掃・維持管理費
- 工事に伴う稼働停止や動線変更による負担
つまり、
「施工費100万円と施工費150万円なら、100万円の工法の方が安い」
とは必ずしも言えません。
仮に100万円の床を何度も補修・再施工する必要があり、150万円の床を長期間使用できるのであれば、10年間の総コストでは結果が逆転する可能性もあります。
実際の金額や補修頻度は、床の状態、施工面積、フォークリフトの走行量、使用する薬品、荷重、清掃方法などによって異なるため、一律に「何年で元が取れる」と判断することはできません。
そのため、床改修では現場条件を確認したうえで、長期的な費用を比較することが重要です。
■塗り床で施工後に発生する可能性があるコスト
塗り床は、コンクリートの表面に塗料や樹脂による塗膜を形成する工法です。
色分けがしやすく、美観を整えやすいことや、使用する材料によって耐薬品性などの性能を付与できることがメリットです。
そのため、現在も多くの工場で採用されています。
一方、床表面に「塗膜」が存在する以上、使用環境によっては摩耗や剥離が発生する可能性があります。桑路建塗でも、フォークリフトや台車が頻繁に走行する場所などでは、塗膜の摩耗や剥がれが床管理上の課題になり得ると説明しています。
・部分補修
床の一部が剥がれた場合、その部分だけを補修するケースがあります。
部分補修であれば全面改修より費用を抑えられますが、補修箇所が増えていけば、そのたびに施工費や現場調整の手間が発生します。
また、補修した部分と既存部分で色や質感に差が出る場合もあります。
・再塗装
床全体の摩耗や劣化が進行すると、全面的な再施工が必要になる場合があります。
その際には、新しい塗料を塗るだけではなく、既存の床状態に応じた下地処理なども必要になります。
・既存塗膜の撤去
既存の塗膜が浮いていたり剥離していたりする場合、そのまま新しい塗膜を重ねられないことがあります。
既存塗膜を撤去し、下地を整えてから新しい床を施工する必要があれば、その工程も費用に含まれます。
・廃材の処分
撤去した塗膜や施工時に使用した材料から廃材が発生すれば、処分も必要になります。
一回あたりでは大きな負担に感じなくても、再施工を繰り返せば、そのたびに材料と廃棄物が発生します。
■見落としやすい「工場を止めるコスト」
工場床のLCCを考えるうえで、特に見落としやすいのがダウンタイムです。
床の補修や再施工を行う場合、施工エリアを一定期間使用できなくなることがあります。
例えば、
- 生産ラインの停止
- フォークリフト走行ルートの変更
- 製品や設備の移動
- 夜間・休日工事への変更
- 施工区画を分けるための工程調整
などが必要になることがあります。
施工費そのものは予算化されていても、こうした社内調整や稼働停止による負担まで、床の維持費として認識されていないケースは少なくありません。
特に24時間稼働している工場や、生産ラインを簡単に停止できない工場では、「何回床工事を行う必要があるのか」という点も重要な比較項目になります。
床の改修費用だけでなく、稼働停止まで含めた負担を整理したい方は、まずは現在の床の状態からご相談ください。
■床コンクリート研磨工事では何が変わる?
床コンクリート研磨仕上げは、コンクリートの上に新しい床材を重ねるのではなく、既存のコンクリートそのものをダイヤモンド工具などで段階的に研磨し、仕上げていく工法です。
桑路建塗では、コンクリートの素地を研磨し、専用硬化剤を浸透させながら表面の密度・硬度を高めていく方法を採用しています。
塗り床との大きな違いは、「表面に塗膜をつくらない」という点です。
塗膜そのものが存在しないため、「塗膜が剥がれたので塗り直す」という再施工を前提とした床管理から切り替えやすくなります。
ただし、床コンクリート研磨仕上げにすれば、どのような工場でも完全にメンテナンスが不要になるわけではありません。
日常清掃は必要ですし、コンクリートの状態や使用環境によっては補修が必要になる場合もあります。
重要なのは、「メンテナンスがゼロになる」と考えるのではなく、塗膜の剥離による補修や再塗装を繰り返すリスクを抑えやすくなるという点です。
■5年・10年で考えると見るべき項目が変わる
床の工法を比較する場合、単年度の予算だけを見ると初期費用の安い工法が魅力的に見えます。
しかし、5年・10年という期間で考える場合は、見るべき項目が変わります。
例えば、塗り床であれば、
「何年程度で部分補修が必要になりそうか」
「全面的な再施工は発生しそうか」
「その際に既存塗膜の撤去が必要か」
「施工中に工場を何日使えなくなるか」
まで考える必要があります。
一方、床コンクリート研磨仕上げの場合は、
「現在のコンクリートを研磨できる状態か」
「どの程度の下地補修が必要か」
「施工後はどのような清掃・維持管理が必要か」
を確認します。
比較すべきなのは、
初期施工費だけではなく、「初期施工費+維持管理費+再施工費+ダウンタイム」です。
これが、工場床をライフサイクルコストで考える基本です。
塗り床とコンクリート研磨のどちらが自社に合うか迷っている方も、現状を確認しながら検討できます。
■「初期費用が安い床=会社にとって安い床」ではない
設備投資では、初期費用を抑えることが求められる場面も多くあります。
しかし、工場床は毎日の生産活動で使用し続ける設備の一部です。
床が傷むたびに補修を行い、数年ごとに再施工を繰り返している場合、一回ごとの金額が小さく見えても、長期間では大きな費用になっている可能性があります。
さらに、
- 設備担当者による業者手配
- 工程調整
- 現場への周知
- 製品・設備の移動
- 工事立ち会い
- 稼働停止
など、請求書には表れない社内工数も発生します。
床を選ぶ際には、工事単価だけではなく「床を管理するために会社全体でどれだけの負担が発生するか」という視点を持つことが重要です。
■床コンクリート研磨工事が向いている工場
床コンクリート研磨工事は、特に次のような課題を抱えている工場で検討する価値があります。
- 塗り床の剥がれを何度も補修している
- フォークリフトや台車の走行量が多い
- 定期的な再塗装を減らしたい
- 床工事による生産停止をできるだけ減らしたい
- 長期的な床の維持管理費を抑えたい
- 既存のコンクリートを活用したい
- 塗料や廃材の使用量も減らしたい
一方で、床コンクリート研磨仕上げがすべての工場に適しているわけではありません。
強い酸やアルカリなどの薬品を日常的に使用する環境、床に特定の耐薬品性能が必要な環境、明確な色分けが求められる環境などでは、塗り床が適している場合もあります。
床材は「どちらが優れているか」ではなく、「その工場の用途にどちらが適しているか」で判断することが大切です。
■既存の塗り床からコンクリート研磨へ変更できる?
現在塗り床を使用している工場でも、床の状態によってはコンクリート研磨仕上げへの変更を検討できます。
ただし、既存塗膜を撤去した後のコンクリートの状態や、
- ひび割れ
- 欠損
- 段差
- 油の浸透
- 過去の補修跡
- コンクリートの強度
などによって、必要な下地処理や仕上がりは変わります。
そのため、写真や図面だけで判断するのではなく、実際の床を確認したうえで工法を検討することが重要です。
■桑路建塗は「左官・コンクリート・研磨」の三刀流で床を考えます
床コンクリート研磨工事は、単に研磨機で床を磨けば完成するものではありません。
既存コンクリートの状態を見極め、必要に応じて下地を補修し、その上で適切な研磨を行う必要があります。
桑路建塗では、左官工事・コンクリート工事・研磨仕上げを一貫して扱っています。
そのため、「研磨できるかどうか」だけを見るのではなく、
「そもそも現在の床がどのような状態なのか」
「どの部分を補修する必要があるのか」
「どの仕上げが工場の使用環境に適しているのか」
まで含めて床全体を考えられることが強みです。
塗り床をもう一度施工すべきなのか、それとも床コンクリート研磨へ切り替えた方がよいのか。
現在の施工費だけではなく、今後の維持管理まで含めた視点からご提案します。
■まとめ|工場床は「次の工事費」ではなく「10年間の総コスト」で考える
工場床の改修では、どうしても目の前の施工費に注目しがちです。
しかし、長期間使用する工場床では、
- 初期施工費
- 補修費
- 再施工費
- 撤去・廃棄費
- 清掃・維持管理費
- 稼働停止による負担
まで含めて比較することが重要です。
特に、現在の塗り床が何度も剥がれ、そのたびに補修や再施工を行っている工場では、「もう一度塗る」という判断をする前に、一度ライフサイクルコストを整理してみる価値があります。
床コンクリート研磨仕上げは、既存のコンクリートを活かし、塗膜の再塗装を繰り返す床管理から切り替えるための選択肢の一つです。
ただし、最適な工法は工場の用途や現在の床状態によって異なります。
桑路建塗では、現地の床状態を確認したうえで、塗り床の再施工と床コンクリート研磨仕上げのどちらが適しているかを含めてご提案します。
「床の補修を何度も繰り返している」
「次の改修では10年先まで考えて工法を選びたい」
「社内稟議のために長期的なコストを比較したい」
という方は、お気軽にご相談ください。
■この記事の監修者

監修:桑路幸一郎|桑路建塗 代表
桑路建塗は、創業100年以上・3代にわたり左官工事、コンクリート工事、研磨仕上げに向き合ってきた施工会社です。
単なる研磨専門業者ではなく、左官・コンクリート・研磨の「三刀流」による一貫施工を強みとしています。
下地づくりから仕上げまで一貫して考えられるため、工場、公共施設、商業施設、ホテル、大阪万博関連施設など、高い品質が求められる現場で施工実績を積み重ねています。
兵庫SDGs認証事業所として、環境配慮への取り組みも進めています。

