皆さん、こんにちは。
兵庫県神崎郡を拠点に、左官工事・コンクリート工事・床研磨工事を手掛けている桑路建塗株式会社です。
工場の床を改修する際、エポキシ系やウレタン系の塗り床、コンクリート研磨など、どの工法を選べばよいか迷っていませんか。
工場床に必要な性能は、業種や作業内容によって異なります。
耐久性や耐薬品性を重視する工場もあれば、熱水への強さ、清掃性、滑りにくさ、施工期間を優先する工場もあります。
さらに、床の色や光沢は、工場内における光の反射にも関係します。
床を明るくすれば必ず電気代が下がるわけではありませんが、照明の光を活かしやすい床にすることで、照明設備や点灯方法を見直せる可能性があります。
この記事では、工場で使用される代表的な床材・仕上げの違いと、照明コストまで考えた選び方を解説します。
【目次】
- 工場で使われる主な床材・仕上げ
- 工場床材を比較する7つのポイント
- エポキシ・ウレタン・コンクリート研磨の違い
- 床によって工場の明るさが変わる理由
- 床コンクリート研磨で電気代は下がるのか
- 照明以外にも期待できる床研磨の効果
- 工場の用途別に考える床材の選び方
- まとめ
■工場で使われる主な床材・仕上げ
工場の床は、コンクリートの上にどのような材料を施工するか、またはコンクリート自体をどのように仕上げるかによって性能が変わります。
代表的な種類を確認しましょう。
・エポキシ樹脂系塗り床
エポキシ樹脂系塗り床は、工場や倉庫、整備工場などで広く使用されている床材です。
製品や仕様によって異なりますが、一般的には耐摩耗性、耐油性、耐薬品性、清掃性に優れています。
床の色を選びやすく、通路や作業エリアを色分けできることもメリットです。
一方で、下地コンクリートに水分や油分が残っていたり、適切な下地処理が行われていなかったりすると、膨れや剥がれが発生することがあります。
参考:エービーシー商会「塗り床とは?(合成樹脂系)」、エスケー化研「塗床材」
・水性硬質ウレタン系塗り床
水性硬質ウレタン系塗り床は、耐熱水性や耐衝撃性、耐薬品性などを備えた床材です。
高温の湯を使用する食品工場や厨房、洗浄室などで採用されることがあります。
ただし、すべてのウレタン系塗り床が同じ性能を持つわけではありません。
一般的なウレタン塗膜と、水性硬質ウレタン系の厚膜床材では、用途や性能が異なります。使用する薬品、洗浄温度、床にかかる荷重などを確認したうえで、製品と仕様を選定する必要があります。
参考:エスケー化研「塗床材」、エービーシー商会「塗り床とは?(合成樹脂系)」
・コンクリート研磨仕上げ
コンクリート研磨仕上げは、コンクリートの上に塗膜やシートを設けず、コンクリート表面を専用機械で研磨して仕上げる工法です。
研磨工程によって表面を平滑にし、コンクリート内部の骨材や素材感を活かした床に仕上げます。
塗膜を使用しないため、塗膜自体がめくれる剥離は発生しません。
桑路建塗が対応する「HTCスーパーフロア」では、研磨によって光沢感のある床に仕上げることが可能です。既存床にも施工を検討でき、工場、倉庫、店舗、公共施設など、さまざまな建物に活用されています。
ただし、耐薬品性や防滑性など、求める性能によっては塗り床のほうが適している場合もあります。
■工場床材を比較する7つのポイント
工場床を選ぶ際は、初期費用や見た目だけでなく、実際の使用条件に合わせて比較する必要があります。
・耐摩耗性
人の歩行だけでなく、台車やフォークリフトが頻繁に走行する場所では、床表面が摩耗しやすくなります。
走行回数、車両重量、タイヤの種類、旋回する場所なども確認しましょう。
・耐油性・耐薬品性
機械油、洗剤、酸、アルカリ、溶剤などを使用する工場では、それぞれの物質に対応した床材が必要です。
「耐薬品性がある」と記載されていても、すべての薬品に耐えられるとは限りません。使用する薬品名や濃度、接触時間を施工会社へ伝えることが重要です。
・耐熱性・耐水性
熱水洗浄を行う食品工場や厨房では、急激な温度変化によって床が膨れたり、割れたりすることがあります。
水を頻繁に使用する場所では、耐水性に加えて排水性や滑りにくさも確認しましょう。
・剥がれやひび割れへの対応
塗り床は下地との密着が重要です。
一方、コンクリート研磨には剥がれる塗膜がありませんが、コンクリート自体に発生するひび割れを防げるわけではありません。
床材だけでなく、既存コンクリートの状態やひび割れの原因まで調査する必要があります。
・清掃性
床の凹凸や欠損部分には、粉塵、油、水、汚れが溜まりやすくなります。
衛生管理を重視する工場では、床材の性能だけでなく、目地や排水設備、床勾配、日常の清掃方法まで含めて考えましょう。
・施工期間と工場停止時間
床材によって、施工工程や硬化までの時間が異なります。
工場全体を停止できない場合は、施工範囲を区切れるか、夜間や休日に施工できるか、施工後いつから使用できるかを確認する必要があります。
・長期的な維持費
初期費用が安い床材でも、短期間で補修や再施工が必要になれば、長期的な費用は高くなります。
施工費だけでなく、補修頻度、廃材処理、工場の停止、清掃にかかる時間まで含めて比較しましょう。
■エポキシ・ウレタン・コンクリート研磨の違い
それぞれの床材が向いている環境を整理します。
・エポキシ系塗り床が向いている環境
エポキシ系塗り床は、耐摩耗性や耐薬品性、清掃性を求める場所に適しています。
床を明確に色分けしたい工場や、作業エリアの美観を統一したい場合にも選択肢になります。
ただし、既存床から水分が上がってくる場所や、油が深く浸透している場所では、下地処理や材料選定に注意が必要です。
・水性硬質ウレタン系塗り床が向いている環境
水性硬質ウレタン系は、熱水や温度変化、衝撃などの影響を受ける場所で検討されます。
食品工場、厨房、洗浄室など、高温の湯や水を使用する環境が代表例です。
ただし、必要な膜厚や防滑仕上げによって費用や施工期間が変わります。
・コンクリート研磨が向いている環境
コンクリート研磨は、塗り床の剥がれを繰り返している場所や、再塗装の頻度を抑えたい工場に適している可能性があります。
また、コンクリートの素材感や光沢を活かしたい場所、床の粉塵や細かな凹凸を改善したい場所でも検討できます。
一方で、薬品が頻繁に床へこぼれる場所や、強い防滑性、明確な色分けが必要な場所では、別の床材や部分的な使い分けが必要になることもあります。
工場全体を一種類の床材で統一せず、作業内容に応じて工法を分ける方法も有効です。
■床によって工場の明るさが変わる理由
照明から出た光は、作業面へ直接届くだけではありません。
天井、壁、床、設備などで反射した光も、工場内の明るさに影響します。
照明設計では、天井・壁・床などの反射率も、作業面に届く光の割合を算出するための要素として扱われます。
一般的に、明るい色や光を反射しやすい表面は、暗い色の表面よりも光を室内へ返しやすくなります。
反対に、床が黒ずんでいたり、表面に汚れが蓄積していたりすると、照明を点灯していても暗く感じる場合があります。
桑路建塗の仕事や職人の働き方についても、よろしければご覧ください。
■床コンクリート研磨で電気代は下がるのか
コンクリート床を研磨しただけで、自動的に電気代が下がるわけではありません。
床の反射によって工場内が明るくなったとしても、同じ照明を同じ明るさで、同じ時間だけ点灯し続ければ、基本的な消費電力量は変わらないためです。
電気代の削減につなげるには、施工後の明るさを確認したうえで、次のような照明側の調整を行う必要があります。
- 調光機能で照明出力を抑える
- 点灯する照明の数を見直す
- エリアごとに点灯時間を管理する
- 人感センサーや照度センサーを導入する
- LED照明への更新と組み合わせる
研磨されたコンクリート床は光を反射しやすくなるため、照明設備の使用方法を見直すきっかけになる可能性があります。
一方で、削減できる電力量は、工場の広さ、天井高、照明器具、床の仕上げ、壁や天井の色、設備の配置などによって異なります。
研磨床のメーカー資料でも、反射性の高い床が照明負荷の低減に寄与する可能性が示されていますが、実際の削減量は現場ごとに測定する必要があります。
■照明コストの変化を確認する方法
床改修による明るさの変化を確認する場合は、施工前後で条件をそろえて測定します。
・同じ場所で照度を測定
作業台、通路、機械周辺など、あらかじめ測定地点を決めておきます。
施工前後で同じ照明を点灯し、同じ時間帯に照度計で測定することで、床面の変化による影響を比較しやすくなります。
・点灯条件を記録
照明器具の数、出力、点灯時間を記録します。
自然光が入る工場では、天候や時間帯によって測定値が変わるため、可能な限り同じ条件で比較しましょう。
・照度を確保したうえで照明を調整
明るくなったからといって、すぐに照明を消してはいけません。
作業に必要な照度や安全性を確認しながら、段階的に調光や点灯数を見直します。
床研磨による電気代削減を社内外へ発信する場合は、施工前後の照度、照明出力、点灯時間、電力使用量を記録しておくことが重要です。
■照明以外にも期待できる床研磨の効果
・塗膜の剥がれを回避
コンクリート研磨には、表面を覆う塗膜がありません。
そのため、フォークリフトの旋回や下地からの水分などによって、塗膜自体が剥がれる現象は起こりません。
ただし、コンクリートそのもののひび割れや欠損が発生しなくなるわけではないため、施工前の調査と補修が必要です。
・清掃しやすい床への改善
表面の細かな凹凸を研磨し、平滑に整えることで、粉塵や汚れが溜まりにくい床を目指せます。
光沢によって汚れやタイヤ跡が見えやすくなる場合もあるため、日常の清掃方法まで含めて検討しましょう。
・工場内の印象を改善
光沢のある床は、工場内に明るさや清潔感を与えます。
従業員の作業環境だけでなく、取引先や採用候補者が工場を見学した際の印象改善にもつながる可能性があります。
・再施工の負担を軽減
塗り床のように塗膜を全面的に剥がして再塗装する必要がないため、長期的な補修負担を抑えられる可能性があります。
床の使用状況に応じた日常清掃や部分補修は必要ですが、塗膜の剥離を理由とした塗り替えを避けられることは、研磨仕上げの特徴です。
床の剥がれや暗さなど、気になる症状がある場合は、まずは現在の状況をお聞かせください。
■工場の用途別に考える床材の選び方
・製造工場
製造工場では、機械設備の重量、油や薬品、台車やフォークリフトの走行状況を確認します。
耐薬品性や色分けが必要な場所は塗り床、剥がれや摩耗を抑えたい通路や作業エリアは研磨仕上げなど、場所によって使い分ける方法も考えられます。
・食品工場
食品工場では、衛生管理、洗浄方法、熱水、薬品、防滑性が重要です。
高温洗浄を行う場所では、水性硬質ウレタン系の塗り床が適している場合があります。
コンクリート研磨を検討する場合は、水に濡れたときの滑りやすさや、衛生基準に対応できるかを個別に確認しましょう。
・倉庫・物流施設
倉庫や物流施設では、フォークリフトの走行や旋回による摩耗、タイヤ跡、床の段差、粉塵が課題になります。
塗り床の剥がれを繰り返している場合は、塗膜を使用しないコンクリート研磨も選択肢です。
・自動車整備工場
自動車整備工場では、タイヤ跡、オイル汚れ、工具や部品の落下などが想定されます。
耐油性や清掃性を重視する場合はエポキシ系、塗膜の剥離や床の暗さを改善したい場合は研磨仕上げなど、現在の悩みを整理して選定しましょう。
■まとめ|床材は耐久性と明るさを含めて比較
工場の床材には、エポキシ樹脂系、水性硬質ウレタン系、コンクリート研磨などがあり、それぞれ適した使用環境が異なります。
耐薬品性や色分けを重視する場合はエポキシ系、熱水や温度変化への対応が必要な場合は水性硬質ウレタン系、塗膜の剥がれや再施工の負担を抑えたい場合はコンクリート研磨が候補になります。
また、床の色や光沢は工場内の光の反射にも関係します。
床研磨だけで電気代が下がるわけではありませんが、施工後の照度を測定し、照明の調光や点灯数を見直すことで、照明コストを抑えられる可能性があります。
桑路建塗では、左官・コンクリート・床研磨工事の経験を活かし、既存床の状態や工場の使用条件に合わせた施工方法をご提案します。
工場床の剥がれや汚れ、凹凸、暗さでお困りの場合は、現在の床の状態についてお気軽にご相談ください。

